机に広げる書類はひとつだけにする

人はいくつもの物事を同時にこなすことができます。歩きながら音楽を聴くとか、テレビを観ながらお菓子を食べたりするのは誰にでもできることです。音楽バンドのドラマーは右手左手と右足左足を別々に動かしながら、観客の反応を見て、バンド全体の音を聴き、歌を歌ったりと、7つの動作を一度に行うことができます。人は7つ前後の作業を同時並行して処理する能力を持っているのです。

聖徳太子は7人の話を同時に聞いて、それぞれに対して的確な答えをすることができたと言われていますが、普通の人にはそんな芸当はできないものです。種類の異なる作業であれば別々にできても、類似したものはできません。テレビを観ながらマンガを読むということはできないのです。同時にしているように見えても、瞬間瞬間の注意力はテレビかマンガのどちらかにあって、決して二つを並行して行っているわけではありません。仕事においても同じことが言えます。部下の相談事に耳を傾けながら顧客と電話をしたり、二つの書類を一度に見ることはできないのです。

複数の作業を同時にこなそうとするとストレスがたまります

一度にいくつもの作業を遂行するよりもひとつずつ処理したほうが効率はアップするものです。同時に複数のことを考えることはできませんので、ひとつひとつに向ける注意力は小さくなります。思考の途中で別の思考が挟まると、考えが中断されて振り出しに戻ったりするものです。忙しい人は、机の上に複数の書類を広げて次々と片付けていこうとしがちですが、そもそも同時にはできないのですからまったく無駄なことです。

机の上に広げられた書類の数だけストレスが増加しますので、心が疲弊してしまいます。ただでさえ、「忙しい」と気持ちが焦っているのに、視覚的なプレッシャーもかかって逆効果になります。複数のファイルを取り出したために、一方の書類がもうひとつの方に紛れ込んでしまい混乱したり、どこに行ったのかわからなくなって探さなければならなくなることもあります。別の書類を入れたままファイリングしてしまったために、後々とても困る事態が生じるケースもあるでしょう。作業はひとつずつ処理するように心がけるべきです。

雛形などはまとめてファイリングすることで効率がアップします

いくつもの書類を広げなければならなくなる原因の一つに、雛形をさまざまなところにファイリングしてあることが挙げられます。文書の「送付状」や、申請書などを別々に保管していると、ひとつのことを片付けるためにいくつものファイルを取り出さなければならなくなります。こうした書類は初めから人まとめにしておけば、「いざ作成しよう」とするときにひとつだけ取り出せば良いので、とても楽になります。ストレスが軽減して、疲れにくくなるはずです。

人は一度にいくつもの作業を処理することはできません。書類を広げるときにはひとつだけにすることで、作業効率がアップし、疲れにくくなります。